第2章 高校生
あっという間に試合も終わって、部活が終わる。
長かった練習が終わって、私は得点板の前から立ち上がった。
『ふー…』
初めてのマネージャー。
まだ何をするにも清水先輩に教えてもらってばかりだったけど。
すごく楽しかった。
ボールを追いかけるみんなを見ているだけで、こっちまでわくわくしてくる。
「くるみ!」
『ん?』
振り返ると、日向くんがこちらへ走ってきた。
「どうだった!?」
『楽しかったよ!』
「ほんと!?」
『うん!』
「じゃあ――」
日向くんが満面の笑みを浮かべる。
「マネージャーやろうよ!!」
『えっ』
「絶対やった方がいいって!」
「俺もそう思う!」
いつの間にか後ろにいた田中先輩が大きく頷く。
「ぜひお願いします!!」
両手を合わせて迫ってくる。
『え、えっと……』
「北澤さん、マネージャー向いてると思うよ」
山口くんも優しく笑う。
「今日も楽しそうだったし」
『ほんと?』
「うん」
「俺も、いてくれた方が助かると思う」
縁下先輩まで。
『えぇ…!』
嬉しい。
嬉しいんだけど。
一気にみんなに囲まれて、どうしたらいいのか分からない。
「な? 頼む!」
「お願いします!」
「北澤さん!」
「マネージャー!」
「……!」
四方八方から声が飛んでくる。
『ちょ、ちょっと待って……!』
一歩後ずさる。
「今日だけじゃなくてさ!」
「明日も来ようぜ!」
『えと、でも……』
「絶対楽しいから!」
『うーん…』
困った。
やってみたい。
本当に楽しかった。
だけど。
こんなに期待されると思っていなかった。
『私……』
どうしよう。
なんて答えたらいいんだろう。