第10章 ポリネシアンセックス
サチは前回のパーティーやスミス夫妻とのスワッピングのセックス以外のセックスを探すようになっていた。
それは“究極のセックス”だった。
そのセックスを“ポリネシアンセックス”と言った。
日本ではまだそんなに知られていないセックスだった。
とても長い時間をじっくりかけて行うセックススタイルのひとつだった。
通常のセックスでは男性が射精をすることや女性がオーガズムに達することを目的としているが、ポリネシアンセックスでは精神的な交わりを重視している。
相手と身体をつなげる以上に、心をつなぎあえるセックス。
それがポリネシアンセックスの最大の特徴である。
肉体的な快楽以上に、精神的な交わりを重視するセックスである。
挿入しても動かさない、ピストン運動もしないでも未知なる快感を得られるセックスなのだった。
サチはこのセックスに高い関心を示した。
このポリネシアンセックスの神髄は射精を目的としない交わりで、つまりは生殖行為ではないセックスだということだった。
単なる体液の交換を目指すよりも、お互いの“気”、つまりは性エネルギーを交換しあうというものだった。
ここまで知ると余計に興味をそそられるとサチは思った。
相手と身体だけでなく心も一体になれることで男性も女性もこれまで行ったセックスでは味わえなかった“未知の快感”と“精神が交わった充足感”を得ることができるのだった。