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特撮短編集【仮面ライダー】

第2章 lovers【五十嵐 大二&カゲロウ/ライブ&エビル】


「で、アホの何を悩んでんだよ。特別に聞いてやる」

「ありがとう、カゲくん」

 カゲロウとの近い距離をさらに詰めて座り直し、彼女は口を開いた。

「実はね……前々からちょっと感じてたんだけど……大くん、なんだかわたしに気を遣ってるっていうか、遠慮してるっていうか……たまに……すごくたまになんだけど、距離を感じるっていうか……」

 上手く話をまとめられない。
 せっかく聞いてもらうのだから、もっとちゃんと話をまとめておけばよかった。

 そう後悔したが、カゲロウは黙って聞いてくれていた。

 こういうカゲロウの何気ない優しさが好きだ。
 大二ももちろん優しくて好きだが、大二と同じくらい、カゲロウのことも好き。

 話を聞きながら、カゲロウは首元のシルバーのネックレスを触っている。

「まぁ、気にすることねぇよ。アイツは元々そういう性格だ。何でもかんでも内側に溜め込みたがる。オレが大二の中に生まれたのも、それが原因の一端だ」

「でも、わたしはヤだよ! 大くんに気を遣われるのも、遠慮されるのも……優しくされるのは好きだけど……ケンカしたっていい。ちゃんと、大くんの話も聞きたい」

 いつも、やりたいことや行きたいところを優先してもらっているが、大ニにだってそういうものがあるはずだ。

 それだけじゃない。一緒にいれば相手のイヤな部分だって見えるし、直して欲しいと思うところだってあるだろう。
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