第2章 lovers【五十嵐 大二&カゲロウ/ライブ&エビル】
「わたしは大くんに、『誰よりも一緒にいたい』って思って欲しいもん」
思わずギュッとカフェラテの缶を握る。こちらを見てくるカゲロウの視線を感じていると、大きな手が頬に触れ、彼の方へと顔を向けさせられた。
「カゲく……んッ⁉」
唐突に口づけられ、訳が分からず、思考が停止してしまう。
今 何が起こっているのか。何をされているのか。
「ん……ふぅ……っ、は、ぁ……」
分からない……けれど、激しいのに、口内に侵入してきたカゲロウの舌は優しく上顎を撫で、柔らかく舌を食んで……気持ちが良くて、頭がふわふわしてきて……。
もしかしたら周りに自分たちが見られているかもしれないと一瞬 脳裏を過ったが、そんな理性もぐずぐずに溶かされてしまう。
手で耳をくすぐられ、背筋を撫でられ、口づけの合間に吐息が甘く漏れてしまう。
「か、カゲ……くん……」
ようやく解放された頃には全身の力が抜けており、ぐったりと彼の胸に頭を預ける。
「フン。これくらいで勘弁してやる」
頬にチュッと落とされたキスにも感じてしまい、「んっ」と身体が震えた。
「……カゲロウのヤツ……」
不意に、声の響きが変わる。
抱きしめてくれる腕の力加減も違う。
顔を上げると、そこにいたのは鋭い空気と意地悪な表情のカゲロウではなく、温和な雰囲気と柔らかな表情を持つ五十嵐 大二だった。
「大くん……?」
「あ、あぁ……」
キスで上がった呼吸を整えていると、カゲロウが口づけを落としていった頬をゴシゴシと軽く擦られる。