• テキストサイズ

特撮短編集【仮面ライダー】

第7章 HAPPY END【富加宮 賢人/エスパーダ】


「私、あなたが運ばれた夜、当直でしたけど……彼、あなたの手術中、すんごい死にそうな顔してましたよ。声をかけたら『恋人が事故に遭って』って……あなたのことでしょ?」

「そん、な……はずは……」

 だって、彼は一言もそんなことを言わなかった。
 けれど、そう言われると、これまでのことが全て……毎日 欠かさず見舞いに来てくれるのも、優しい表情も、言葉も……。
 なら、賢人の言う恋人って……。

「そりゃそうでしょうよ。好きでもなきゃ、毎日 来れないでしょ。仕事帰りだって欠かさないんだもん」

 ちょっと狙ってたんだけど、ガードが固すぎて無理だったのよねー。
 そんな看護師の言葉は耳に入らず、彼女の思考はぐるぐると取り留めなく頭を回る。

 自分が賢人の恋人? それは本当に?

 何かの間違いなのでは?

 自分に自信がなさすぎて、事実だと受け入れることはできない。

 それに、もし本当なら、なぜ彼は教えてくれないのか。

「……もしかして……」

 一つの可能性に思い至り、彼女は静かに目を閉じ、熱くなった目尻を乱暴に拭った。

* * *

/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp