• テキストサイズ

特撮短編集【仮面ライダー】

第4章 Peace of mind【桜井 景和/タイクーン】


「教えてよ。俺にできることがあるならさ」

 1人で抱え込みがちで、何もかも自分でどうにかしようとしてしまうから。

 どれだけ力になれるか分からないし、話してどうにかなるわけじゃないかもしれないけれど。
 それでも、彼女の抱えている問題を少しでも共有してもらいたい。

 そんな景和の想いが通じたのか。

 どこか頼りなさげに瞳を揺らしながら、訥々と話してくれた。

「何かあるわじゃないの。本当に。ただ……少し、周りの当たりが強くて……」

「当たりが強いって……もしかして、何か言われてる?」

 異例のプロジェクトリーダー。一緒にやる人たちは自分よりも年上の先輩たち。
 当然 面白くないだろうし、僻みややっかみを言われることもあるだろう。

「だったら俺が……」

「景和が?」

 目を瞬かせ、彼女は小さく笑った。

「あ、無理だって思ってるでしょ」

「違う違う。うーん……やっぱり、ちょっとだけ思ったかも」

 確かに、誰かを責めたり、怒ったりするのは苦手だ。
 けれど、大切な彼女が嫌な目に遭っているのなら、自分だって……。

「俺だって、やるときはやれるよ。君のためなら特に。大切な子なんだから」

「景和……」

 今度は、笑うことはなかった。
 フッと肩の力が抜けたような、そんな表情でこちらを見てくる。
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp