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七十二候

第9章 蚯蚓出(みみずいづる)


「私だって高校生らしいことしたいの。もうほっといてよ」
「でも」と徹が食い下がろうとしたときに畳みかける。
「何で徹は女の子と付き合って良くて、私はダメなの?」
 徹はハッとして、何も返さなかった。
 ほどなくして私の家に付き、「じゃあまた明日ね」と、なるべく角が立たないように言った。取り払おうとしていた徹との溝はさらに深まってしまった格好だった。


「ほんとだね……徹に連絡してみるよ。メッセージじゃなくて、電話で」
「おう。その後また俺に連絡するんだぞ」
 心配かけてごめんね。いつまでも子どもでごめんね。岩ちゃんに何度目か分からない感謝をし、私たちは電話を切った。
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