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七十二候

第75章 及川編#0


 それでも、日本でプロクラリネット奏者を目指す萌を幸せにできる自信はなかった。だけど、萌はこう言った。
「とりあえず、プロになるまでは待って。今度は私が成果を出して答えを見るける番だから」
 その時にまだお互いが必要な存在だったら、この関係は続けるし、そうじゃなかったら、今度こそ別れよう。お互いを縛り付けることはやめよう。

 こうして、今も超遠距離恋愛を続けている。
 萌は無事プロとなった。これから日本でいろんな経験をして、きっと答えを出す。俺には待つことしかできなかった。
 萌とアルゼンチンで暮らす。そんな淡い期待がないと言えば嘘だった。
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