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七十二候

第68章 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)


 朝、スマホの音で目が覚めた。眠い目を擦りながらスマホを見ると、岩ちゃんからのメッセージだった。
「サン・フアン、リーグ優勝したな!」
「えー!!」朝から絶叫した。
 これまで、負けてしまった日もあったが、驚異の追い上げを果たした。徹はやり遂げたんだ。苦しくても、辛くても、貫いた。ついにコートを制したんだ。
「よかった…!」
 朝起きたばかりだというのに闇雲に涙が流れた。徹のセットでチームが結果を出したことが何よりも嬉しかった。
 高校時代、敗者だった徹が取るに足りない「勝ちたい」というプライドを一人誇って旅立った。徹の行くその道を誰が信じた?一番信じたのは徹自身なのだ。
 今後は、一緒に信じていきたい。私に信じさせてはくれないだろうか。そして、決意をした私を信じて欲しいと思っていた。
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