• テキストサイズ

七十二候

第65章 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)


 そう。私は両親、秋田先生、鈴川先生、まゆ、AKI、前田くん、吹奏楽団の人たち、レモンのみんな……徹や岩ちゃんみんなに助けられて、その上で私が成り立っていた。
 用意された舞台は日本で、そこでしか演奏できないものだと思っていた。自分から何かを与えらことはあるか?音楽コンクールは秋田先生のレッスンの賜物だし、作曲のアドバイスをAKIにも鈴川先生にもいただいてきた。先日のリサイタルも、企画してくれたのは別の人だ。動画だって、まゆのおかげでグレードアップした。
 私は私だけで何か出来たか?用意された舞台で守られているだけでどうする?

「私らしくって、こういうことでもあるか……」
「ん?」
「いろんな人のおかげで私があるけど、私の得たもの全部で多くの人に還元するんだ」
 とっくの前からお父さんと約束してたんだけどな。

 スポーツに国境はない。音楽にも国境はない。私はどこだって演奏できる。日本以外の国の人にもどんな音楽でも届けられる。みんなから貰ったものを私のものに昇華させて、還元していく。
 それが、私の使命。私らしくいること。
/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp