• テキストサイズ

七十二候

第55章 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)


「あけましておめでとうー。寝起きか?」
「そうだよ! 萌も一緒にいるの? 羨ましすぎるんですけど!」
 本当に起きたばかりみたいで、徹の髪の毛が少し乱れている。ちょっと可愛かった。
「徹~」と私は手を振った。
「萌―! あけましておめでとう!」徹が満面の笑みを見せてくれた。
「及川、俺らにも新年の挨拶しろよ」と花巻くん。
「え、今言ったじゃん」
「おい、クソ川! なんだその態度!」
 男子たちはいつまでたっても男子だなと遠巻きにやりとりを見ていた。

 その後徹からメッセージを貰う。
「あけましておめでとう。岩ちゃんたちと一緒だったんだね。羨ましい! 今年もよろしくね」
 今年も。その言葉に安心する。今年もこの関係でいてくれるんだ。と。進展はなくても、彼女でいられることに安心してしまった。
/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp