第6章 旅立ちの時
「あの人に勝てるとしたら……“白ひげ”ぐらいかしら? 後は……四皇か七武海か海軍大将か……もしかしたら、その人たちにも負けないかもね」
「四皇!? 七武海!? 海軍大将!?」
ミーウは驚いて口をあんぐりと開けた。
メアリーはクスッと笑った。
「ここまでヒントを言ったら、すぐに見つかっちゃうかもね」
「……そ、そうなんですか……?」
ミーウは少し眉を寄せた。
「……わかりました。お父様もおじい様もわたしが見つけて来ます」
ミーウは真っ直ぐメアリーを見て宣言した。
メアリーは少しだけ微笑んで頷いた。
「約束ね。ミーウ」
メアリーは真っ直ぐミーウだけを見つめた。
「はい」
ミーウはにこりと笑った。
「それと……」
メアリーは微笑んだ後に、すぐに真剣な顔をして持っていた刀をミーウに見せた。
「この刀は最上大業物12工の1本、妖刀〈紅桜〉」
「……妖刀……」
メアリーはミーウを見つめた。
「そう。〈紅桜〉はキルリレ家に代々受け継がれている刀よ。元々は妖刀ではなかったけど、返り血をたくさん浴びてしまったために妖刀と成り果てた刀」
「……」
メアリーはゆっくり語り出した。
ーー遠い昔、空白の100年の時代。つまり、巨大な王国があった時代から受け継がれている伝説がキルリレ家にはある。この伝説によれば、戦争によりミーウたちの祖先はたくさんの人を〈紅桜〉で斬ったと言われている。そのため、たくさんの返り血を受けて〈紅桜〉はいつの間にか恐ろしい妖刀へと変わり果ててしまったのだ、と。