第6章 旅立ちの時
「どうしよう……」
「何をそんなに悩んでいる?」
ミーウたちが悩んでいると突然、部屋の入り口から声を掛けられた。ミーウたちはビクッとして固まった。そして、恐る恐る後ろを振り向いて、声を掛けた人物を見た。
「クザン! 人の部屋に入る時はノックして入って来てって言っているじゃない!」
ミーウは突然クザンが訪ねて来たことに驚いて動揺し、思わず声を荒げてしまった。
「一応、ノックはしたが……返事がなかったから、入っただけだが?」
クザンは肩をすくめた。
「……」
ミーウはクザンを睨んだ。
「そんなのなしでしょ? 返事がなかったらなかったで、後でまた来ればよかったじゃない」
ミーウはムッとして言った。
「いや、ありだろ。いるのはわかってるんだからね。ところで……」
クザンは2人と1匹を見た。
「こんなところで……3人揃って何を話しているんだ?」
「別に」
ミーウは素っ気なく返した。
クザンは苦笑した。
(まあ、言えるはずもないか……)
ーミーウたちがなろうとしているのは海賊。対する自分は海軍大将。ーーわざわざ敵である海軍に海賊になることを伝えるということは捕まえてくださいと言ってるようなものだ。
「少し時間あるか?」
「え?」
ミーウはキョトンとして、目をパチクリさせた。
「見せたい物がある」
「……わかった」
2人と1匹は立ち上がった。
「こっちだ」