第6章 旅立ちの時
次の日、ミーウとアユナとミシュラはミーウの部屋にいた。床に小さな円になるように座っている。
「ミーウ、どうするの?」
アユナは正座のまま、ミーウがいる方向に体ごと向けた。
「……どうしよう」
ミーウは胡座をかきながら、ずっと困った顔をしていた。
(時間が経てばどうにかなるって話じゃないから……)
ミーウは本当に困っていた。
「メアリー様だけにはちゃんと話した方がいいと思うけど……」
「うん……」
今、ミーウは母親であるメアリーに海賊になることを言うかどうか、アユナとミシュラと話し合っている。
「メアリーに言ったら、寝込む気がするが」
ミシュラが怪訝そうな顔をした。
「でも、何も言わずに勝手に海に出たら……メアリー様が心配して、人探しとして新聞に載っちゃうかもしれないのよ?」
ミシュラは眉を寄せた。
「それは……問題だな……」
「そうね……」
ミーウは2人の会話を聞きながら頷いた。
ーーミシュラの意見は有り得ないことではない。今まで、自分を祖母のシェルミーと2人で育ててくれた母親が体の弱いことをミーウは知っている。だから、ショックを与えて寝込ませるようなことはしたくない。だが、アユナの意見は絶対に有り得ると思う。海に出たことがメアリーや海軍にバレて、人探しとして新聞に載ったら、キッドに会った時に帰れと言われるかもしれない。それに、身分のことも書かれていたらと思うと、怖くて仕方がない。