第6章 旅立ちの時
アユナは怪訝そうな顔をした。
ミーウは首を振った。
「海軍から貰おうと思ったけど……たぶんダメだって言われるし、身分がバレたら嫌だし……」
ミーウは一瞬、悲しい顔した。ーーよくよく考えてみれば、海軍の船に乗った海賊なんて、怪しまれるかもしれない。新聞社なんかに目をつけられたら、すぐに身分がバレて大騒ぎになってしまう。
「そうね……」
ーーミーウは世界貴族天竜人の血を受け継いでいる。それを彼女はとても気にしている。だから、キッドやキラーにも言わなかった。
「わたしの身分がわかったら、みんな嫌うよね……わたしのこと」
ミーウがずっと思っていること。ーー天竜人は人から嫌われている、と。
「……」
アユナとミシュラは何も言い返せなかった。ーーミーウの気持ちが痛い程わかるから。
「これから……」
アユナとミシュラはミーウを見た。
ミーウは人差し指を唇に当てて言った。
「仲間になる人たちには言わないでね」
ーわたしが天竜人だということを。
ミーウは優しく、けれども辛そうに笑った。
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