第56章 天竜人と8人目の新たな仲間
スレイジはディスコの言葉にブチ切れている。今にも刀を抜いて斬りかかりそうだ。
「ん?」
そんな中、ケイトが声を上げた。
「ケイト、どうした……」
『さて、それでは……』
アユナがケイトの反応が気になり、彼女に聞こうとするよりも前にディスコが話し始めた。しかし……。
「うわあーーー!」
突如、ラキューバがふらついて床に膝を付き、口から血を流して倒れてしまった。
「うわ!? 倒れた!」
「何事だ? 血が見えたぞ!」
会場内はどよめきと叫び声で騒然としている。
ラキューバの手はまだピクピクと辛うじて動いている。そうこうしている間に、舞台に幕が引かれた。
「お……おい!」
「どうしたんだ?」
会場の人々はざわざわと話している。
「今、どうしたの?」
ミーウの後ろでナミがサンジに尋ねる。
「舌を噛んだ」
「え!?」
サンジの言葉にナミは驚きの声を上げる。
「人に飼われて悲惨な人生を歩むより、今ここで死ぬことを選んだんだ。場合によっては……利口かもな」
アユナの隣に座っているケイトが口を挟んだ。
「ううっ、ニュウウウ……」
「うっ……うう……」
変わった顔の男は呻き声を、ヒトデは目に涙を浮かべた。ヒトデの脳裏にはケイミーとの楽しかった思い出が蘇る。