第56章 天竜人と8人目の新たな仲間
チャルロスは機嫌が悪そうにして、彼女の隣の席にドカッと座った。
「さっきの騒ぎは何だったアマス? オークションは中断するし、気分は悪くなるし最悪だったアマス」
「ムカつく女がわっちに口答えをしたんだえ。本当にムカつくえ」
チャルロスは醜い顔をさらに歪めた。その横で、ロズワードは黙っている。
チャルロスのせいで、再び会場内はしらけてしまった。人々は俯いている。
そこへ、鎖の音が鳴り響いた。
「わー!」
会場内の人々は拍手をしたり、手を上へ挙げたりした。ーーオークションの準備が整い、舞台上に奴隷が上がったからだ。
『さあ、準備ができたようです。エントリーNo.16はなんと、海賊船の船長!』
「え? 船長?」
ミーウの横に座っていたユイは首を傾げた。
『とくとご覧あれ! 懸賞金1700万ベリーのこの男、名をラキューバ! 繊細な計略家として知られた海賊なのですが、鍛え抜かれた肉体も自慢。人馬にするも良し、力仕事にサンドバッグ、用途は様々で〜す』
「アハハハハハ!」
ディスコのふざけた言葉に会場内の人間は笑っているが、舞台上のラキューバは青ざめている。
「……サンドバッグって……人間だぞ。人を何だと思ってやがる」