第56章 天竜人と8人目の新たな仲間
「ぐっ……ケイミー……」
「人魚はまだかよ」
「怖いだろうな、ケイミー」
「もう少しの辛抱よ……。アタシたちが助けるんだから。スリラーバークのお宝があって良かった」
「ホントありがとう、お前ェら……」
麦わらの一味は今か今かとその時を待っている。
「……」
(人魚、か……)
ミーウは下の方の特等席に座っている天竜人を見下ろした。
(あいつらが……特にあの天竜人が黙って見逃すかしら……)
ミーウがそう思っていると、舞台の幕が開けた。舞台上にはディスコの姿がある。
『というわけで、No.16の海賊ラキューバは極度の緊張屋で鼻血を噴いて倒れてしまったため、ご紹介はまた後日ということに』
ディスコの言葉に会場の貴族たちは笑っている。
「緊張屋……」
「よく言うぜ」
チョッパーとサンジが呆れたように呟く。
「そんな言い分で……よく通るな」
「全くだ」
ケイトとショウラも冷たく言い放つ。
『しか〜し、皆様。これからご紹介させていただきます商品はこんなトラブルも一瞬で吹き飛ばしてしまう超目玉商品!』
ディスコの言葉の後にドラムロールが流れる。会場は暗転し、幻想的な光でライトアップされる。舞台の中央には布が掛けられた何かが運ばれた。