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【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第56章 天竜人と8人目の新たな仲間


 ミーウは微笑んで、男の体に手をかざした。
「……我が身は我にあらず……」
「ミーウ」
 ミーウが移し身の呪文を唱え始めたところで、アユナが後ろから歩み寄って声を掛けた。
「……わたしが代わるわ」
「アユナ、でも……」
 ーこの傷は……。
「気持ちは分かるけど、ここはシャボンディ諸島よ。いつ、誰と戦うことになってもおかしくないわ」
「……」
「体力は温存しておいた方がいいと思うの」
 未だに渋っているミーウをアユナは優しく宥める。
 ーーミーウが移し身を使うと決めている時は自分のせいで仲間や友達が傷付いた時と……奴隷だった人の傷を受け止めたい時だ。それをアユナは理解している。ただ、今ミーウたちがいる島はシャボンディ諸島。近くに海軍本部とマリージョアがあるため、どんな敵がいつ現れるか分からない。ミーウが移し身を使って万全な状態で相手と戦うことができないと、仲間たちを危険に晒してしまう可能性がある。
「……わかった」
 ミーウは渋々立ち上がった。
「……傷の手当てをお願い」
「任せて、船長」
 ミーウのお願いを聞いたアユナは男の目の前にしゃがんで、彼と目線を合わせた。
「動かないでね」
 アユナは男の体に手をかざす。
「清水」
 アユナの手のひらから清らかな水が男の体を包み込み、全身の傷を治していく。
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