第56章 天竜人と8人目の新たな仲間
ミーウはヒトデが口にした名前を繰り返し声に出した。
ー聞いたことがない名前だ。いつも間にか、麦わらの一味の仲間になったのだろうか。
「絶対、取り戻してみせるわ」
「あっ……」
サンジたちは目を見開いて驚いた。
「しかし、この状況でどうやって?」
海パンを履いた男がナミの後ろから聞く。
「今、船にはだいぶ宝が積んである。軽く見積もっても、2億はあると思う」
ナミは後ろにいる仲間を体ごと振り返った。
「人魚の相場ってどれくらい?」
「ニュ〜! そんなにあったら十分だけど、おれ返せない!」
ミーウが見たことがない男が焦ってナミに言う。
「何? ハチ。あんた、ケイミーの保護者かなんか?」
「ニュ〜! そういうわけじゃ……」
ハチと呼ばれた男は首を左右に振って否定する。
「わたしたちの友達を奪い返せるなら、いくらかかろうと構わない! みんな、文句ないでしょ!」
ナミは再び舞台の方を向いて、後ろの仲間へ聞く。
「もちろんだ! 金の話じゃねェよな!」
チョッパーは力強く同意した。
水色のリーゼント頭の男もニヤリと笑う。
「お前ら……ありがとな……。この恩は一生忘れねェ……うう……」
「ニュ〜!」
ハチと彼の肩に乗っているヒトデは泣いている。