第55章 人間オークション
ミーウもそちらを向く。
「見た顔だな」
「北の海の2億の賞金首、トラファルガー・ローだ。随分、悪ィ噂を聞いてる」
「……」
ユイは下からミーウを見上げた。ミーウはこちらを見たユイと目を合わせる。
「わたしも噂は聞いたことがあります」
「……ユイも知ってる人なのね」
「はい、新聞の上ではとても有名です」
ミーウはユイに向けていた目を再びローの方へ向けた。
ローもミーウとキッドの視線に気付いたのか、2人の方を振り向く。そして、右手の中指を立てた。
「態度も悪ィな」
「……」
(あの人、どこかで見たことあるような……)
ミーウは目を細めた。ーーどこで見たことがある? さっき、キラーと他の海賊が戦っていた時にいたような気がするが……。
『え〜、それでは皆さん、長らくお待たせしました』
3つの海賊団の冷戦状態が続いていた間に、オークション会場には貴族が集まり、舞台上にはスタッフが登場していた。ーー時刻は16時。オークションが始まる時間だ。
『まもなく、毎月恒例1番GR人間大オークションを開催致したいと思います! 司会はもちろん、この人!』
スタッフが舞台裏を向くと同時に、舞台上をライトが照らす。
『歩くスーパーバザールこと……ミスター・ディスコ!』
『ヘイヘ〜イ!』
黄色い帽子に星の形のサングラスをかけた男が舞台上で踊っている。観客はその男が現れると、手を上に挙げて歓声を上げた。