第54章 13人の超新星
「……」
一連の様子を近くの建物の屋上の淵に座って、眺めていた少女がいた。その隣には紅茶色の髪の毛をツインテールにしている小さい少女とその反対側には狼が伏せをしている。
「思いの外、おれらみたいな超新星がこの島にたくさんいるみたいだな」
少女の後ろから、下の様子を見ていた薄い朱色の髪を逆立てた男は目を細めた。
ーー“雷剣”カファイナ・スレイジ。“南の海”出身。水神海賊団戦闘員。懸賞金1億8000万ベリー。
スレイジは体の横で、拳を握り締めた。
(“殺戮武人”がいるってことは……)
ーあいつもこの島に……。
「スレイジ」
男は目の前に座っている少女に名前を呼ばれて、体を少しビクッとさせた。
「……何を思っているのか知らないけど、原則この島での争い事は起こしちゃダメよ」
「……わかってるよ。ミーウ」
ミーウはスレイジを振り返り、にこりと微笑んだ。
ーー“秒殺の女帝”キルリレ・ミーウ。“南の海”出身。水神海賊団船長。懸賞金4億ベリー。
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