第54章 13人の超新星
「シャッキーは昔、海賊をやってたんだ」
「そうなのか?」
「もう40年前に足を洗ったけどね」
「てことは、おばはん、いくつだ?」
「今は君たちみたいな超新星(ルーキー)を応援して楽しんでるの」
「ところで、シャッキー……」
「ああ、言わないで。わかってる。全部わかってる」
ハチが言葉を繋げる前に、シャッキーは言葉を遮った。
「はっちゃんやケイミーちゃんがわざわざ陸のルートを通って来たのは、船をコーティングしたいモンキーちゃんたちを案内するためでしょ?」
「あー! 美味かった!」
先程まで床で綿飴を頬張っていたチョッパーがカウンターの椅子へと座った。
「はい」
チョッパーが椅子の上へ登ったと同時に、シャッキーはチョッパーの前にソーダを出した。
「おー!」
チョッパーは嬉しそうに頬を赤くしている。
「つまり、レイリーにコーティングの依頼ね」
「ニュー、そうなんだ」
「だけど彼、ここにいないのよ」
「えー! 職人、いねェのか? おれたち、魚人島へ行きてェんだ!」
「まあ、でもこの諸島から出るわけないから? どこか、酒場か賭博場か探してみたら?」
「じゃあ、帰って来るまで待ってるよ」
「そうね、いつかは……もう半年は帰って来てないけど……」