第53章 シャボンディ諸島の闇
「……」
ミシュラは後ろを振り返った。そこには、シャボンディパークにどのタイミングで行くのかで揉めているミーウとスレイジがいた。
「“賞金稼ぎ”や“人攫い”は能力者を狙うとミーウは言っていました。ミシュラのグループには能力者が3人、其奴らに狙われる可能性が高いですよね?」
「……」
「それに、ミーウは能力持ちの船長で、スレイジは億越えの賞金首です。ユイは体も小さくて、この船で1番歳が若い。ミシュラのグループは全員狙われる確率が高い」
「……」
「パワーバランスではぼくらが負けていても、リスクを考えるとこのグループが1番妥当かと思われます」
「……」
「それに、船の修理で1人人員を増やすとなると、スレイジになりますよね?」
「……ああ」
「果たして、ミーウとユイの2人をミシュラ1人で面倒が見れますか?」
「……」
ミシュラはそっとジウを振り返った。
「……無理だな」
「そうですよね」
ジウは満足そうに、にこりと笑った。
(こいつ……)
ーどんどんミーウに似てくるな……。
ミシュラは今後のことを思って、ため息をついた。
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