第53章 シャボンディ諸島の闇
「おれが行こう」
今度は、ショウラが手を挙げた。
「珍しい食材を買いたいと思っていたんだ」
「わたしも手伝うわ」
アユナがショウラの隣で微笑んだ。
「わたしも付き合おう。新しい服を見たいと思っていたんだ」
ケイトはアユナと目が合うと、にこりと微笑んだ。
「これで、買い出し班も決まったし、必然的にわたしたち4人がホテルの予約をするグループになるね!」
ミーウは満足そうに笑った。
「強さ的にも、バランスが取れているか……。特殊コーティング班が少しパワーバランスが弱くなってしまうが……」
ミシュラは少し心配そうにクユン、ジウ、トーダを見た。
「大丈夫だ。おれがいる」
トーダはしゃがんで、ミシュラと目線の高さが合うようにした。
「そうだが……お前は動物系の能力者だし……ジウは女に間違えられやすい。クユンも逞しい体をしているから、“人攫い”に……」
「ミシュラ」
ジウもトーダと同じようにしゃがんだ。
「心配しないでください。ぼくは大丈夫です。こう見えても、男ですし」
「そうだが……」
未だに心配そうにしているミシュラにジウは微笑んだ。
「ぼくたちの心配よりも、ミシュラは自分のグループの心配をした方がいいんじゃないですか?」