第53章 シャボンディ諸島の闇
「ユイ!」
ユイが頭を下げようとした時、ユイの顔の目の前にキラキラと紅い瞳を光らせたミーウが現れた。
「シャボンディパーク、行きたいよね!?」
「え……」
基本的に無表情なユイの頬がほんの少しだけ赤らんだ。
「行きたい……です」
「よーし!」
ミーウは横にいるスレイジに笑った。
「ユイも行きたいって言ってるなら、行ってもいいよね!?」
「……」
スレイジはミーウとユイを交互に見て、ため息をついた。
「ユイが言うなら……仕方ねェな」
「やったー!」
ミーウは飛び上がって喜んだ。
「ユイ! 遊園地だよ!」
「は、はい!」
表情は変わらないが、少し嬉しそうな雰囲気を出しているユイをアユナとケイトは微笑ましそうに見ていた。
「よし、じゃあメンバーを決めよ!」
ミーウは自分の船の船員たちを見た。
「まず、コーティングの依頼は……」
「おれがやろう」
クユンが手を挙げた。
「ちょうど、船の修理も兼ねて造船所に行きたかったしな」
「おれも手伝おう」
「ぼくも手伝います」
ジウとトーダは微笑んで進言した。
「じゃあ、お願いね!」
「任せろ」
トーダは自分の船長に優しく微笑んだ。
「次は……買い出し班ね」