第53章 シャボンディ諸島の闇
「ミーウ、これからどうするんだ?」
スレイジはミーウに聞いた。
「いくつかのグループに分かれましょう。グループAは50番台GRに行って、コーティング職人に特殊コーティングを依頼する。グループBは70番台GRに行って、滞在している間のホテルの予約を取る。グループCは40番台GRに行って、必要な物の買い出しをする。グループDは30番台GRに行って、シャボンディパークで……」
「おい、ミーウ」
スレイジはミーウを睨んだ。
「最後のシャボンディパークはお前が遊びたいだけだろ!」
「いいじゃない! 楽しそうなんだもん!」
「船長がふざけたこと言ってんじゃねェ!」
「ふざけてないもん! 大真面目だもん!」
口喧嘩を始めたミーウとスレイジを見て、他の船員たちはため息をついた。
「そこまでだ。ミーウ、少し頭を冷やせ」
「スレイジもだ。少し落ち着け」
ミーウをトーダが止め、スレイジをクユンが止めた。
「今のうちの船員は全部で9人と1匹」
いきなり喋りだしたミシュラを船員たちは見た。
「4つのグループに分けるとなると、1グループ2人か3人になる。海軍がいて、尚且つ“賞金稼ぎ”や“人攫い”が蔓延るこの島で……少人数で移動するのはリスクが高過ぎる」
「……確かに……」
船員たちは目を合わせて頷き合った。
「分けるなら、3グループだ。最低3人いれば……どうにかなるだろ」
「……そうね」
ミーウは頷いた。
「じゃあ、GRの位置的に……コーティングを依頼するグループと買い出しをするグループ、それとホテルを予約するグループに分かれて行動しましょう」
「あ、あの!」
グループの構成人数と目的が決まり、あとはグループのメンバーを決めるだけという時に、ユイが声を上げた。
「シャ、シャボンディパークは……行かないんですか……?」
「え?」
ユイ以外の水神海賊団のメンバーの声が揃った。
「ユイ……」
「む、無理ならいいんです! ごめんな……」