第53章 シャボンディ諸島の闇
シャボン玉がたくさん浮かんだ美しい島、“シャボンディ諸島”。“島”と呼ばれているが、実際はヤルキマン・マングローブと呼ばれる巨大な樹木が79本集まった集合体で、それも関係して、〈偉大なる航路〉の島々特有の磁場が発生しない。樹は特殊な天然樹脂が分泌し、木の根が呼吸する時に樹脂が空気で膨らんでふわふわと空へ飛んでいくために、幻想的な光景を作り出していた。
各々の樹木に番号が付けられており、それが島の区画として使われている。明確に決められているわけではないが、エリアごとに特色があり、1番~29番GRは「人間屋(ヒューマンショップ)」などが立ち並ぶ無法地帯、30番台GRは遊園地のシャボンディパークエリアがある繁華街、40番台GRは観光やお土産物屋、50番台GRは造船所やコーティング職人の居場所、60番台GRは海軍駐屯地や政府出入口、70番台GRはホテル街となっている。
〈赤い土の大陸〉、つまり“聖地マリージョア”を通れない無法者達は“魚人島”を通る海底ルートへの準備をする島として、この“シャボンディ諸島”を利用している。そのため、この諸島には〈偉大なる航路〉の前半の海で名を上げた悪名高い凶悪な海賊達が集結する地として有名で、それらに睨みをきかせるため、近隣に海軍本部が設置されている。
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