第53章 シャボンディ諸島の闇
針路を左へと変更した水神海賊団の船は何もない海をただ、ひたすら真っ直ぐ進んでいた。
「ミーウ、まだなのか?」
「……もうすぐ……見えるはずよ」
船員たちは不安に思いながらも船長の言葉を信じ、船はまだ先の見えない海の上を進み続ける。しばらくすると、大木のようなものが霧の中から見え始めた。
「……もしかして……あれか?」
「あれは……」
「そうよ」
ミーウは自分の後ろにいた船員たちを振り返った。
「あの島は“シャボンディ諸島”。〈偉大なる航路〉前半の海の……最後の島よ」
+