第52章 〈偉大なる航路〉前半の海
アユナとケイトは偉大な海に入った時のことを思い出した。
「ここまで来るのに……いろいろあったな」
「ああ……」
ミシュラとスレイジは今までの旅を思い出した。
「おれは〈偉大なる航路〉の生まれだから、お伽話でしか聞いたことがなかった」
「わたしもです」
ショウラとユイは耳にしたことがある光景が目の前に広がっていることに感嘆した。
「やっと……半分まで来たんだな」
「はい」
ジウとトーダはここまで来れたことを誇りに思った。
「……誰一人、欠けることなくここまで来れてよかった……」
ミーウは目の前の〈赤い土の大陸〉を見上げた。
「世界をもう半周した場所でこの壁をもう一度見ることになる」
ーー最果ての島“ラフテル”に着いた時……。
「……その時、わたしは……〈ひとつなぎの大秘宝〉を手に入れる」
ミーウは静かに夢を語った。
「ミーウ」
船首に飛び乗ったスレイジがミーウを呼んだ。
「それで、こっから先はどうするんだ? 行き止まりだぞ?」
スレイジは〈赤い土の大陸〉を見上げた。
「反対側の海へ行くには、方法は2つあるの」
「2つ?」
ミーウは頷いた。
「1つ目の方法はこの壁を登ること」