第5章 重なる心と別れ
「あっちだ!」
ミーウは“見聞色”の覇気でキッドとキラーの気を感じた方向に走り出した。
「ミーウ! 待って!」
アユナとミシュラは走り出したミーウの後を追いかけた。
しばらく走ってから曲がり角を曲がると、その少し先に昨日まで会っていた2人の姿が見えた。
「キッド! キラー!」
ミーウは2人の名を呼んだ。
キッドはその声に驚いて、後ろを振り返った。
(……嘘だろ……)
ーーその声を聞いた瞬間に誰が自分の名前を呼んだのか、すぐにわかった自分がいた。
ミーウの姿を目に映した時、キッドはぽつりと呟いた。
「何で……」
ーもう、会うことはないと思っていた。その声を聞くこともないと思っていた……あいつはもう……おれのことが嫌いになっただろう。そう思っていたのに……なのに、何であいつが……。
「何であいつがここにいる?」
そう言ってから、キッドはハッとしてキラーを見た。
「……アユナに言ったのか?」
キッドはキラーを睨むように見た。
「ああ」
キラーは当然だという態度で頷いて首を傾けた。
「何で……」
「お前がちゃんと説明しないと思ったからだが?」
その語尾には少しだけ怒気を含んでいるようにキッドには感じ取れた。