第52章 〈偉大なる航路〉前半の海
(もしかしたら……もう、後半の海に入ったのかもしれない……)
ーせっかちな彼のことだから……キラーと他の仲間と先へ先へと進んでいる可能性は十分あった。
「あの約束は……いつ、果たされるのかな……」
ー約束して。次、わたしと会うまでに能力だけに頼るのではなくて、他の戦法も覚えるって。そうでもしないと、キッド……真面目に取り組まないでしょ?
ー……それは……次、会った時の宣戦布告だと思って……いいんだな?
ーそう捉えてもらっても構わないわ。
ーでも、わたしは約束を守らない限り、キッドを相手にすることはない。いい?
ーふんっ、そんなの、おれがすぐ習得して、お前をあっと言わせてやる。覚悟してろよ、ミーウ。
ー望むところよ。
ーキッドと戦った後に、新しい約束をした。次、会う時までの。
「……ちゃんと、特訓してるのかしら?」
ミーウはクスリと笑った。
ー“リヴァース・マウンテン”を超えて、〈偉大なる航路〉に入った。双子岬でおばあ様の手紙をクロッカスさんに渡した。〈偉大なる航路〉の初めての島で、ショウラが仲間になった。そして……。
ミーウは左手の小指に付いている指輪を見た。
「エース……」