第44章 また会う時まで
「何? スレイジ」
「……いや……」
スレイジは少し悲しそうに笑った。
「何でもない」
「……そう、なら……いいけど……」
少し戸惑っているミーウと未だに悲しそうに笑っているスレイジを交互に見て、ケイトはまたため息をつきそうになるのを堪えた。
(全く……)
ーどうしたものか……。
頭を抱えそうになるのも堪えながら、2人を見守ることにした。
「あ、そうだ。スレイジ」
ミーウは笑顔になって、スレイジに近付いた。
「何だ?」
「いつもみたいに相手してよ」
にっこりと笑って言う。
スレイジはその笑顔が少し眩しくて目を細めた。
「手合わせか?」
「もちろん!」
ミーウは海の上に氷のステージを出現させた。
「ほら! スレイジ!」
「わ、わかったって!」
スレイジはミーウに引っ張られながら、船の下に降りて行った。
「全く……」
2人がいなくなった途端、ケイトは額に手を当てた。
「ケイト」
ショウラが後ろから声をかけた。
「お前……ミーウとエースに対して、あんな露骨に聞かなくても良かったんじゃないか?」
「……まあ……確かにな……」
ケイトは目を伏せた。
「どうしてあんなこと聞いたんだ? お前らしくもない」
トーダも少し離れた所から聞いた。
「後悔して欲しくないだけだ」