第44章 また会う時まで
「そうだな」
エースはロケットペンダントを受け取った。
「次は忘れるなよ」
「忘れないわ。絶対に」
2人は笑い合った。
「またな、ミーウ」
エースはそう言うと、顔を近付けた。そして、ミーウの唇に自分の唇を重ねた。
「……え……」
エースの顔が離れる。
ミーウとそれを見ていた船員たちは固まっている。
「ええええええええ!?」
「おい、おま……」
「エース!」
船員たちは口々に叫ぶが、それを全く気にせずエースは満面の笑みを見せた。
「それじゃあな!」
そして、船の柵を越えて海の上に浮かべていたストライカーの上へと降りる。
「え、エース!」
ミーウは柵に手をかけて、下を見下ろした。こちらを見上げているエースと目が合う。
「ありがとな! 世話になった!」
「エース!」
「ミーウ!」
エースは意地悪そうに笑った。
「次に会う時は……海賊の高みだ」
ストライカーが少しずつ前へ進む。
「来いよ! 高みへ!」
ストライカーの上が炎の海となり、船は全速力で前へと進んで行く。気付いた時には、エースの姿は見えなくなっていた。
「エース……」
ミーウは青い海を見つめている。
「……ミーウ」