第44章 また会う時まで
「ちょっと待ってて」
ミーウは急いで船の中へと戻って行った。
「……」
「おい、エース」
エースの後ろから、ケイトが声をかけた。
「何だ?」
「お前……左手の小指に……指輪をはめることの意味がわかってるのか?」
「いや?」
帽子を人差し指で上げて、エースは笑った。
「わかんねェ!」
「……そうか」
ケイトは目を細めた。
(……計算じゃない……? 無自覚か? 誑かしているわけでは……なさそうだが……)
ケイトはジッとエースを見た。
「おいおい、怖い顔をするなよ」
困ったようにエースは笑った。
「……怖い顔をしているつもりはないんだが……」
ケイトが言い返そうとした時に、船の扉が開く音が大きく響いた。
「エース!」
息を切らして、ミーウが走って来た。
「これ!」
ミーウはエースにある物を渡した。
「これ……昨日貰ったロケットペンダントじゃねェか」
ミーウの手に握られているのはミーウとエースの写真が入ったペンダントだった。
「うん! 指輪と交換!」
ミーウはエースに笑顔を向けた。
「次、会った時に……それがあれば、お互いすぐに思い出せるでしょ?」
「……あァ」
エースも笑った。