第43章 あなたと交わった夜
「……そもそも、さっきの行為は本来は好きな奴ら同士でやることだって言っただろ?」
「うん」
「だから……」
エースは顔を赤くさせた。
「おれは……お前とさっきのことができれば……それで満足だったんだ」
首を傾げているミーウに、男は少し慌てた様子で話す。
「もちろん、子どもができたなら……そりゃ嬉しいさ。さっきも言ったように責任は取る。でも、これは両想いじゃないと基本的にはやってはいけないことだから……お前が言った通り、今日だけお前の心をおれに向けて欲しいと言ったんだ」
エースは自分で説明をしながら頭を抱えた。
「なんか説明が難しくなっちまったな……」
「ふふ、分かったわ。ありがとう」
ミーウはエースを見て笑った。
「なんか……人から好意を寄せられることなんて初めてだから……よく分からなかったの……」
「お前には家族も仲間もいるじゃねェか」
「恋愛はそれとは違うでしょ?」
「まあ……確かに……」
エースは少し微笑んだ。
「さて、体が汚れちまったから風呂でも入るか」
彼はそう言うとベッドから立ち上がって、まだベッドに座っていたミーウを軽々と抱き上げた。
「え、自分で入るからいいわよ」
「いいじゃねェか。一緒に入ろうぜ」
「でも……」