• テキストサイズ

【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第43章 あなたと交わった夜


 エースの心臓の鼓動がすぐ近くで聞こえてくる。自分の鼓動も重なって、どちらの音が大きく跳ねているのかわからない。

「あの……エース……?」

 ミーウはエースを見上げた。顔を上げると、少しだけ背の高いエースの顔がすぐ近くにあった。

「……」

 エースは目を細めて微笑み、ミーウの唇に自分のそれを重ねた。

「エ、エース!?」

 ミーウは顔を真っ赤にさせ、彼の胸に自分の手を置く。

「何だ?」

 エースは自分から離れようとするミーウをさらに力強く抱き締めた。

「エース……」

「ミーウ」

 エースはミーウの首筋に顔を埋める。

「エース……あの……」


「好きだ」


 唐突に言われた言葉。夜になって少し肌寒い空気が揺れて耳に届く。

「……え……」

「お前は……覚えてねェと思うけど、初めて会った時から……ずっと好きだった」

「……」

 ーー何年前かわからないが、初めて会った時から自分のことが好きだと目の前の彼は言う。でも……。

「わ、わたしは……天竜人で……」

「そんなの、関係ねェよ」

 抱き締める腕に力が入る。

「おれだって……鬼の子だ」

「……」

 ーー生まれて来た時から、生きていることが罪だと言われた2人。出会ったのは偶然か、それとも神様の悪戯か……。
 
/ 671ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp