第5章 重なる心と別れ
「昨日の夜、一晩中考えたの」
ミーウはアユナを真っ直ぐに見た。
「キッドに言いたいことがあるの」
ミーウはそう言って、身仕度をし始めた。
「アユナ、ミシュラを呼んで来て」
「……え?」
アユナはミーウのいきなりの頼み事に驚いた。
「頼みたいことがあるの。お願い」
ミーウはパジャマから私服に着替えながら言った。
「わ、わかった」
アユナはミシュラを呼ぶためにミーウの部屋を出た。
(ミーウ……どうするつもりなんだろう?)
アユナがミシュラを呼びに行った後、ミーウは髪の毛を結び、身支度を完璧に整えた。そして、自分の机に向かった。
「……」
そこには昨日、キッドから貰ったビブルカードが置いてあった。
(……キッド)
ミーウは昨日のことと過去のことを再び思い出して、乱れそうになる呼吸を深呼吸をして整えた。そして、“Miiu”と書かれた自分のビブルカードを机の引き出しから取り出し、氷晶(ひょうしょう)の中に入れた。ーー氷晶は溶けない氷の結晶で、しかも絶対に割れることがない特殊なものだ。
「……できた」
ものの数分で、ビブルカードのネックレスが1つ出来上がった。