第5章 重なる心と別れ
次の日、ミーウは朝食の時以外ずっと自室に籠っていた。
アユナはキッドとキラーの見送りをしに行くために、ミーウを呼びに彼女の部屋の前へ向かった。
(……ミーウ……)
アユナはミーウとキッドがどのような会話を交わしたかは知らないが、お互いに分かり合えていない状態になっているのだけはわかった。ーーキラーの予想通りだ。
アユナはミーウの部屋に行く間に、1回だけため息をついた。
(2人が島を離れる前に喧嘩なんて……)
ミーウの部屋まで来ると、1回深呼吸をしてドアをノックした。
「ミーウ」
アユナはミーウに呼びかけた。返事はない。
「入るよ」
アユナはミーウの部屋に入った。
ミーウは昨日と同じようにベッドの上に座っていた。
「ミーウ、キラーたち……12時に北の港から島を出るって」
アユナはベッドの近くに行った。
「見送りに行かない?」
「……今、何時?」
アユナは部屋の壁にかかっている時計を見た。
「11時ちょっと過ぎかな」
それを聞いて、ミーウはベッドから出た。
「行く」
アユナは驚いた。ーーてっきり、キッドとキラーの2人が8年前の約束を破って嘘をついたと思い込んでいて、見送りになんか行かないと言うと思っていたからだ。