第42章 知られたくなかったこと
ミーウとアユナが準備をしている間、エースは部屋の扉にもたれてミシュラと共に待っていた。
「なあ、エース」
隣で床に突っ伏した状態でいるミシュラがエースに話しかけた。
「何だ?」
「ミーウのこと……どこまで知ってる」
「……」
エースの方を見ることなく、ミシュラは床を見つめたまま聞いた。
「ミーウのことってのは……」
「惚けても無駄だ。アザを見たんだろ?」
「……」
ミーウのアザは普段は包帯を巻いて、さらに長袖の服を着てその下に隠していた。しかし、不幸にも、今日のミーウは暑いからと半袖を着ていた。ーー油断していたのだ。今日は戦う相手がいないと。また、包帯が取れることはないと。
「ミーウをあんなにボロボロにした奴は誰だ。そこら辺のポッと出の海賊ではないだろ」
ーーミシュラの予感ではミーウの正体を知っており、これ以上強くなる前に殺してしまおうと思っている奴らだと思っていた。
「……バーソロミュー・くまだ」
「バーソロミュー・くまだと!?」
(革命軍の……元幹部か……)
ミシュラは奥歯を噛み締めた。ーーこんなところにいるとは思わなかった。いるとしても、“聖地”マリージョアに近いあの島だと思っていた……。