第42章 知られたくなかったこと
「ミーウ」
エースが目を開けたミーウに声をかけた。
「エース……」
「大丈夫か?」
「うん……」
ミーウは自力で座ろうとした。エースがそれを手助けする。
「エース……」
「何だ?」
エースから少し離れて座ったミーウは俯かせていた顔を上げて、エースと目を合わせた。
「……話したいことがあるの……。少しだけ、外でミシュラと待っててくれない……?」
「話したいこと?」
ミーウはこくりと小さく頷いた。
「……わかった」
エースはスッと立ち上がり、扉の方へと向かった。ミシュラもそれについて行く。
バタンッ
扉の音がして、エースとミシュラが出て行った後、ミーウは握り締めた拳を震わせた。
「ミーウ……」
ミーウが見つめる先には、忌々しいアザがあった。
「アユナ」
ミーウは紅い瞳を上げて、アユナを映した。
「エースに……“あの事”を話すから……側にいてくれる?」
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