第42章 知られたくなかったこと
「船の準備ができた! 出航していいか!?」
「ええ!」
ー迷っている暇はない。ーーミーウがあの状態である以上、船の出航の決定権はアユナにあった。
「よし! 行くぞ!」
クユンは船を動かし始めた。
「アユナ! ミーウは……」
スレイジがアユナに近付いた。
「スレイジ」
アユナはそれを制した。
「大丈夫。絶対に、治すから」
「……」
心配そうに見つめてくるスレイジを真っ直ぐに見つめ返し、アユナは凛と言った。
「ここにいて。何かあったら、すぐに呼んで」
「……わかった」
スレイジは渋々頷いて、アユナから離れた。
アユナはそれを見届けてから、船の中へと入って行った。
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