第42章 知られたくなかったこと
珍しく、アユナがキツい言い方でスレイジを制した。ーーアユナの直感では、自分たちでは到底敵わない相手がこの島にいるからだ。
「……お願い、エース」
アユナはエースを見た。
「……ミーウが危ないってことか?」
「……そう、かも……しれない……」
その場にいる船員たちは凍りついた。ーー自分たちの船長の強さは船員である自分たちが1番よくわかっている。それなのに、そのミーウの身が危険ということは相当強い相手だということを察した。
「わかった」
エースは笑った。
「エース……」
「安心しろ」
未だに震えているアユナを見て、エースはまた笑顔を作った。
「ミーウは必ず、連れて帰って来る」
エースはくるりと後ろを振り返り、船から飛び降りて森の方へと走って行った。
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