第42章 知られたくなかったこと
「確かに、天竜人は嫌いだ」
「……」
ミーウは肩を震わせた。ーーそんなことはわかり切っていたはずだ。天竜人は万人に嫌われている。
「だけど……」
エースは目を細めて、相手を睨んだ。
「ミーウは……あいつらとは違う」
ミーウは力なく瞼を上げて、エースを見上げた。
「おれは……こいつのことが好きだ」
「!?」
ミーウは涙を流している目でエースを見つめた。
「エ……ス……」
「だから、こいつだけは殺させねェ」
エースは炎を右手に纏わせた。
「炎上網!」
腕から放った炎は森の地面を燃やし、炎の壁を作った。
「ミーウ! 逃げるぞ!」
エースはミーウを横抱きに抱き上げた。そして、2人に追いつかれないように、全速力で港へと走って行った。
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