第42章 知られたくなかったこと
ーーバーソロミュー・くまは革命軍の元幹部だ。訳あって、現在は“七武海”に属しているが、心の中では今も天竜人や世界政府のことが嫌いなはずだった。もしかしたら、革命軍と繋がっている可能性だってある。
「あのまま、エースと一緒に船に戻っていたら……他のみんなが怪我をする可能性がある。最悪の場合、わたしと一緒に殺されるかもしれない」
「……」
「でも、わたし1人だったら……どうかしら?」
ミーウは少しずつ、くまとの間合いを詰めている。
「わたしが傷を負っても、みんなは何もない」
ーみんなが無事なら、それでいい。
「わたしを殺したいんでしょ? 憎いわたしの血筋を、途絶えさせたいんでしょ?」
ミーウは自分で言いながら、自分の血筋が憎くて下唇を噛み締めた。
「殺したいなら、殺してみなさい! 仲間だけは……わたしが守る」
「……」
くまは左手の手袋を外した。
ポンッ
肉球の形をした空気の塊をミーウの方へと飛ばした。
「!?」
凄まじい速さで飛んで来るたくさんの空気の塊をミーウは“見聞色”の覇気を使って避ける。しかし……。
「ッ!」
訓練されたはずの“見聞色”の覇気を用いても、全てを避けることはできず、数個の空気の塊が肩や足にかすってしまった。