第41章 思い出せない記憶
「こんな感じか?」
「ああ、完璧じゃ」
老人は微笑んだ。
「撮るぞ。3・2・1……」
カシャッ
カメラ音と共に、電伝虫が目を閉じた。口からは写真が出てくる。
「へー! スゴいな、それ!」
エースは感心した様子で言った。
「これはわしが何十年も前に改造した電伝虫じゃ」
老人は電伝虫から出て来た写真を取った。
「少し待っとれ。今からアクセサリーを作るでな」
そう言うと、老人は奥の作業場へと行ってしまった。
「ねえ、エース」
ミーウはエースの後ろから声をかけた。
「何だ?」
「サボって……誰?」
ー今までのエースの話の中で出て来なかった人物。ルフィの名前は最初に出て来たのに、サボという名前は出て来ていなかった。
「……おれとルフィの義兄弟だ」
「義兄弟……」
ミーウは目を細めた。
「彼は……今、どこにいるの?」
「……」
エースは黙って俯いた。
「サボは……死んだ」
「え……」
エースは悲しそうに笑った。
「10年前に……天竜人に殺されたんだ」
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