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【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第41章 思い出せない記憶


 エースはミーウの肩を持った。
「どうして……忘れちまってんだよ、ミーウ」
「……ごめんなさい……」
 ーーエースの話を聞いても尚、ミーウは思い出せずにいた。
(どうして、覚えてないんだろう……)
 ーとてもじゃないが、エースの話す内容は作り話には思えなかった。目の前でこんなに真剣に苦しそうに話している彼が、嘘をついているようには思えなかったのだ。
「……なるほど……」
 お店の老人はエースの話と2人の様子を見て頷いた。
「10年ぶりに再会したと思ったら、相手が記憶喪失だったと……」
「……あァ……」
 エースはミーウの肩から手を離した。
「なるほどな……。よし、わかった」
 老人はにこやかに笑うと、ミーウの肩を叩いた。
「お嬢ちゃん、お代はいらないよ」
「え?」
 ミーウは老人を見た。
「で、でも……」
「ついでに、写真をネックレスにしよう。ただ、わしも歳で作るのが大変だから、1個しか作れないが……」
「でも、おじいさん……」
 言葉を続けようとしたミーウを老人は制した。
「写真に残しておけば、忘れることはないじゃろ」
「……」
「写真はな、人々の思い出のお手伝いなんじゃよ」
 老人は壁にかかっている写真を見上げた。よく見ると、それは全て同じ人物の写真だった。
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