第41章 思い出せない記憶
「おれらは小さい頃に、1度だけ会ったことがあるんだ」
「エース?」
ミーウは突然話し出した隣にいるエースを見た。
「おれとルフィとサボは……10年前に、ミーウとコルボ山で会った。じじいが連れて来たんだ」
「……じじい?」
ー予感はしていた。
ーモンキー・D・ルフィ。おれの義弟だ。
「ガープのじじいだよ」
「……」
(そうだ……)
ーどうして気付かなかったのだろう。彼の名前はモンキー・D・ガープ。ルフィの名前を聞いた時に、思い出せたはずだ。そして、その繋がりも大体見当がつく。
「ガープのおじいちゃんに孫がいたなんて……知らなかった」
ー子どもがいることは知っていた。モンキー・D・ドラゴン。革命軍総司令官。その名は世間でも広く知られており、“世界最悪の犯罪者”と通称されている。ただ、ガープの子どもと知っている者はベテランの海軍将校くらいしかいなかった。ーーガープがドラゴンの名字を隠しているからだ。
「……本当に覚えてないんだな」
エースは自分の話に驚いているミーウを見て目を細めた。
「4人で一緒に熊を倒したり、手合わせをしたり……お前はルフィよりも強かった。おれもサボもあの時は歯が立たなかった」