第41章 思い出せない記憶
2人は街に戻り、とあるレストランへと入った。そこまでは良かったのだ。
ガツガツガツガツ
「……」
ミーウは目の前で皿を山のように積み上げながら、尚も食べ続けるエースを見ていた。
「……さっき、アユナとショウラが作った料理はどこへ消えたの?」
「ん?」
エースは皿から顔を上げて、目の前でパフェを食べているミーウを見た。
「んー、どっか行っちまった」
「……」
それだけ言うと、また食べ始める。だが、しばらくすると……。
「……グー……」
寝息を立てて、死んだように眠ってしまう。ずっとこれを繰り返していた。
「……」
(本当に白ひげ海賊団の2番隊隊長なのかしら……)
ーー不思議に思うくらい、彼は無防備だった。後ろから誰かに狙われていたとしても、気付かないで殺されそうだ。
「ふー、食った食った」
エースは膨らんだお腹をさすった。
「……たくさん食べたわね」
「おう!」
ニッと歯を見せてエースは笑う。
「お腹がいっぱいになったなら、もうそろそろ行く?」
ミーウもパフェを食べ終わり、お店を出る支度を始めた。
「そうだな」
エースはそう言うと、いつの間か凹んでしまったお腹をさすって、身軽そうに立ち上がった。