第4章 すれ違う心
そうこうしているうちに、アユナは大楠に着いた。アユナはそこにいたミーウを見て青ざめた。
「……ミーウ?」
アユナはミーウの様子がおかしいことに一目で気付いた。
「ミーウ!」
アユナは急いでミーウのそばに走って行った。
ミーウはあれからまだ、両耳を両手で塞いだまま、しゃがみ込んでキッドの名前を呼んでいた。
「ミーウ、大丈夫?」
アユナはミーウの前に来て座った。
ミーウはアユナの声を聞いて、恐る恐る顔を上げた。
「……アユ、ナ?」
アユナは頷いた。
ミーウはそれを見て、アユナに抱き付いた。
「ア、ユナ……アユ、ナ」
ミーウはアユナの名前を何度も呼びながら泣き出した。
「ミーウ……」
ーーこんなミーウ、見たことない。こんなに泣きじゃくる姿を見たことがない。
(違う……)
ーー7年ぶりに見た。あの時もこんな風に泣いていた。
「……」
ーー7年前のあの日……アユナはミーウと共にまだ少し小さかったミシュラに乗って、荒れ狂う炎の中を必死の思いで抜け出した。
『ミーウ、無事? 怪我してない?』
アユナは自分の前に乗っているミーウに声をかけた。